置き家具と造作家具、どちらが耐震性に優れているのか気になっている方も多いのではないでしょうか？「耐震性の高い家具を選びたいけれど、どちらが本当に安全なのか判断できない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。

実は、造作家具と置き家具は耐震性において大きな違いがあります。特に、造作家具は固定されているため安定感が高く、地震対策としてはより効果的です。一方、置き家具は手軽に移動できる利点があるものの、耐震ラッチを使うことで安全性を高めることができます。

この記事では、造作家具と置き家具の耐震性の違いについて、地震対策に役立つポイントを5つご紹介します。ぜひ参考にしてください。

造作家具と置き家具の違いは？

まず初めに、造作家具と置き家具の違いについて見ていきましょう。

造作家具は、家の構造に合わせてオーダーメイドで作られる家具です。これに対して、置き家具は、一般的に販売されている完成品の家具で、後から部屋に配置することができます。造作家具は、部屋のレイアウトに合わせてフィットし、壁や床にしっかりと固定されるため、地震時には倒れにくいという特長があります。置き家具は、柔軟に移動できる一方、地震対策を施さないと倒れやすいというデメリットもあります。

造作家具のメリットとデメリット

造作家具にはいくつかのメリットとデメリットがあります。まず、最大のメリットは、部屋の形や寸法にぴったりと合わせて作られるため、空間を無駄なく活用できることです。例えば、キッチンにぴったり合うカウンターや収納棚を作ることで、スペースを最大限に活かすことができます。また、造作家具は壁や床に固定されることが多く、地震の際に倒れたり動いたりするリスクが少ないため、安全性が高いと言えます。

しかし、デメリットもあります。まず、造作家具はその場に特化して作られるため、移動や変更が難しい点です。引っ越しの際や部屋のレイアウトを変更したいときに、造作家具は柔軟に対応できません。また、オーダーメイドで作るため、価格が高くなることが多いです。

置き家具のメリットとデメリット

置き家具の大きなメリットは、その柔軟性です。引っ越しやレイアウト変更の際に、場所を変えることができるので、ライフスタイルや空間の変化に対応しやすいです。また、造作家具に比べて価格が比較的安価であるため、手軽に購入しやすいという利点があります。

一方、置き家具のデメリットは、地震などの災害時に不安定になりやすいことです。特に重心が高い家具や、大きくて不安定な家具は揺れによって倒れやすく、収納している物が飛び出すこともあります。そのため、地震対策として、耐震ラッチを使用するなどの工夫が求められます。

造作家具と置き家具の耐震性比較

造作家具の特徴と耐震性の強さ

造作家具は、その特性上、耐震性において非常に優れた選択肢です。これは、家具があらかじめ壁や床に固定されているため、地震の揺れに対して動くことが少なく、倒れるリスクを大きく減少させます。特にキッチンカウンターや収納棚など、固定式の造作家具は安定しており、強い揺れにも耐えることができます。

造作家具のもう一つの特徴は、重心が低く設計されることが多いため、地震の揺れが加わったとしても倒れる可能性が低くなります。さらに、家具自体が建物の構造に組み込まれているため、揺れが伝わりにくくなり、家具の安定性が保たれます。

このような強みを活かして、家庭内で地震に強い環境を作りたい場合には、造作家具が非常に有効だと言えます。特に地震が頻繁に発生する地域や、家族に小さな子供がいる家庭では、より安全な選択肢として非常に注目されています。

置き家具の特徴と耐震性の弱点

一方、置き家具はその柔軟性から便利な反面、耐震性には弱点があります。壁に固定されていないため、地震の揺れによって家具が動いたり、倒れたりする危険性があります。特に、テレビ台や冷蔵庫、書棚など、比較的大きな家具は、地震の際に倒れるリスクが高く、家具の中に収納している物が飛び出すことも少なくありません。

また、置き家具は、そのデザインや配置が自由である反面、重心が高かったり、不安定だったりすることがあります。これらは、揺れによって家具が倒れる原因となり、家の中の安全を確保するためにしっかりとした対策が必要となります。例えば、壁に固定することで、地震の揺れを和らげることができますが、それでも完全に倒れないとは言えません。

造作家具 vs 置き家具｜耐震性を考慮した選択肢

造作家具が最適な理由

地震対策を考える上で、最も安心できる選択肢は造作家具です。前述したように、造作家具は壁や床にしっかりと固定されており、地震の揺れにも強いという特徴があります。特に、大きな家具や重い収納家具が部屋に配置されている場合、万が一の地震に備えるためには、これらを固定することが非常に重要です。造作家具は設計段階からこの点を考慮して作られるため、一般的な置き家具と比べて、より高い安全性を誇ります。

また、造作家具はその大きさや形を部屋にぴったりと合わせることができるため、無駄なく空間を使うことができます。地震時には、家具が倒れるリスクだけでなく、家具が動いて部屋内で物を散らかしてしまうこともありますが、造作家具は動かすことが難しいため、これらの心配を減らすことができます。特に高い棚や大きなカウンターなどが設置されている場合、その強度が非常に重要です。

置き家具で地震対策をする方法

置き家具を使っている場合でも、地震対策をする方法はあります。その一つが、家具を壁に固定することです。特に、テレビ台や本棚など、重い家具は壁に固定することで、地震による揺れでも倒れにくくなります。また、家具の転倒防止用のベルトや金具を使うことも、地震対策として有効です。

さらに、置き家具の中でも高い位置に置いてある家具（例えば、高さのある本棚や食器棚など）は、耐震ラッチを取り付けることで、地震の揺れによる収納物の飛び出しを防ぎます。耐震ラッチを設置することで、引き出しや扉が開いて中身が散乱するリスクを抑え、安全性を高めることが可能です。

家具の位置を見直すことも重要なポイントです。家具を壁際に寄せて置くことで、揺れの影響を受けにくくすることができます。家具が部屋の中心にあると、揺れによる影響を受けやすくなるため、できるだけ壁に近い位置に配置することを心がけましょう。

地震対策として重要なポイント

地震対策として最も重要なポイントは、家具の転倒防止と収納物の飛び出しを防ぐことです。家具が倒れると、家の中が危険な状態になり、さらには大切な物が壊れるリスクも増えます。特に、収納物が飛び出すことで怪我をする可能性もあるため、その防止が重要です。

耐震ラッチを使うことで、収納物の飛び出しを防ぎ、家具を安定させることができます。また、家具を壁に固定したり、転倒防止用のベルトを使ったりすることも、地震対策として非常に効果的です。これらの対策を講じることで、万が一の地震に備えることができ、家の中の安全性を高めることができます。 

どちらを選ぶべきか？理想の家具選び

造作家具と置き家具、それぞれにメリットとデメリットがあります。造作家具はその耐震性と安定性から、地震対策として非常に優れた選択肢となりますが、設置には費用や手間がかかるため、予算や時期に合わせて計画的に導入することが求められます。一方で、置き家具は柔軟性があり、必要に応じて移動や追加が可能ですが、地震対策には追加の手間がかかります。

理想的な選択は、部屋の使い方や予算、設置スペースに応じて、造作家具と置き家具を組み合わせることです。例えば、キッチンやリビングには耐震性の高い造作家具を選び、軽い家具や頻繁に移動するものについては置き家具を選ぶといった方法です。どちらを選ぶにしても、しっかりとした耐震対策を施すことが、地震の際に家族を守るための最良の方法と言えます。